業務用エアコンを取り付ける際、自身で設置する方法と専門業者に依頼する方法のどちらが良いのか迷う方も多いでしょう。費用を抑えるために自分で取り付けを検討することもありますが、電気工事や冷媒配管の施工には専門的な知識と技術が必要で、誤った設置は故障やトラブルの原因になります。
本記事では、DIYでの設置手順や注意点、プロに任せる場合のメリットや業者の選び方を徹底比較。さらに、取り付け工事の流れや費用相場、設置後のメンテナンスのポイントも紹介し、安全かつ確実に業務用エアコンを導入するための方法を詳しく解説します。

業務用エアコンの取り付けはDIYできる?専門業者に依頼すべき?
業務用エアコンの取り付けを検討する際、DIYで設置する方法と専門業者に依頼する方法のどちらが良いのか悩むことがあるでしょう。家庭用エアコンとは異なり、業務用エアコンは電気工事や冷媒配管の施工が必要なため、高度な技術が求められます。取り付けを誤ると、冷暖房効率の低下や故障の原因にもなるため、慎重に選択することが大切です。
DIYで取り付ける場合のリスクと注意点
業務用エアコンのDIY設置は可能ですが、専門知識がない状態で作業を行うと大きなリスクを伴います。
電気工事が必要
- 業務用エアコンは200Vまたは三相200Vの電源を使用するため、資格を持つ電気工事士でなければ工事ができません。誤った配線は火災や感電事故の原因になることもあります。
冷媒配管の施工が難しい
- 冷媒ガスの充填や配管の施工には専用の機器が必要です。配管内の空気を抜く「エアパージ」を正しく行わなければ、冷暖房の効率が低下し、故障の原因となります。
保証が適用されない可能性がある
- メーカー保証の条件として、「正しい施工」が求められる場合が多く、DIYでの設置による故障は保証の対象外となることがあります。
電気工事・冷媒配管など専門技術が必要な理由
業務用エアコンの取り付けには、以下のような専門技術が求められます。
電気工事(200V・三相200V対応)
- 業務用エアコンは高電圧のため、一般的な家庭用エアコンとは異なる工事が必要です。建物の電力容量が不足している場合は、電力会社への申請が必要になることもあります。
冷媒配管の施工とガス充填
- 冷媒配管の接続ミスやエア抜きを怠ると、冷媒漏れが発生し、エアコンの性能が大幅に低下する可能性があります。
室内機・室外機の適切な設置
- 設置場所の強度や排熱の影響を考慮しないと、冷暖房の効率が落ちることがあります。特に天井埋め込み型や壁掛け型は、強度の確認が重要です。
業者に依頼したほうがよいケースとは?
以下のケースでは、専門業者に依頼することを強く推奨します。
電気工事が必要な場合
- 200Vや三相200Vの配線が必要な場合、資格を持たない人が作業を行うと法令違反となるため、安全のためにも業者依頼が必須です。
冷媒ガスの充填や配管施工が必要な場合
- 冷媒ガスの取り扱いには専門的な知識と機材が必要であり、DIYでの適切な作業は非常に難しいです。
設置場所が特殊な場合
- 天井埋め込み型やビル用マルチエアコンなど、設置工事が複雑な機種はDIYでは対応が難しいため、業者に依頼するのが確実です。
保証やアフターサービスを受けたい場合
- 業者に依頼すると、施工保証や長期的なメンテナンス契約が利用できることが多いため、安心して運用できます。
業務用エアコンの取り付けは、安全性や施工後の保証を考慮すると、専門業者に依頼するのが最も確実な方法です。
業者に依頼する際のポイント|選び方・費用・トラブル回避策
業務用エアコンの取り付けは、専門的な技術が必要なため業者に依頼するのが最も安全で確実な方法です。しかし、業者によって費用やサービスの質が異なるため、適切な業者選びと費用の相場を把握し、トラブルを避けるための対策を講じることが重要です。
業者選びの基準|価格・技術・対応力の比較
業務用エアコンの設置を依頼する際、以下のポイントを基準に業者を選ぶと、安心して施工を任せることができます。
施工実績が豊富か
- 業務用エアコンの設置経験が豊富な業者を選ぶことで、適切な設置方法を提案してもらえる
- 口コミやレビューを確認し、過去の施工実績をチェック
料金が明確か
- 見積もりの内訳が明確で、追加費用の発生がないかを確認する
- 相場より極端に安い業者は、施工品質やアフターサービスが十分でない可能性があるため注意
保証・アフターサービスが充実しているか
- 設置後の保証期間や、万が一トラブルが発生した際の対応がしっかりしているかを確認
- 定期点検やメンテナンスサービスがある業者を選ぶと長期的な運用が安心
設置工事の相場と追加費用が発生しやすいケース
業務用エアコンの設置費用は、機種や設置環境によって異なります。事前に相場を把握し、追加費用が発生しやすいポイントを押さえておくことで、予算オーバーを防ぐことができます。
作業内容 |
費用相場 |
追加費用が発生するケース |
基本設置工事 |
10万~30万円 |
設置場所が特殊(天井埋め込み型など) |
電気工事 |
5万~20万円 |
200Vや三相200Vの配線工事が必要な場合 |
冷媒配管工事 |
5万~15万円 |
配管延長や既存配管の交換が必要な場合 |
古いエアコンの撤去・処分 |
5,000~30,000円 |
フロンガス回収が必要な場合 |
追加費用を防ぐためのポイント
- 事前に設置場所を確認し、配線・配管の状態を業者に相談する
- 見積もりの際に「追加費用の可能性があるか」を必ず確認する
- 古いエアコンの処分費用が含まれているかをチェックする
依頼前に確認しておくべき重要ポイント
業者に依頼する前に、以下の点を確認しておくと、スムーズな施工が可能になります。
設置スケジュールを調整する
- 業務用エアコンの設置工事は半日~数日かかることがあり、業務への影響を最小限に抑えるために事前のスケジュール調整が必要
設置場所の環境を確認する
- 室内機・室外機の設置スペースが確保できるかを確認し、必要なら事前にレイアウトを調整
保証内容とアフターサービスの範囲を把握する
- 設置後の保証期間や、故障時の対応について事前に確認し、長期的に安心できる業者を選ぶ
業務用エアコンの取り付けは、適切な業者選びと費用の事前確認が重要です。
業務用エアコンの取り付け方|設置手順と技術的ポイント
業務用エアコンの取り付け工事は、設置場所の準備から電気工事・冷媒配管工事・試運転まで、いくつかのステップを経て進められます。適切な施工を行わないと、冷暖房の効率が低下したり、トラブルの原因となるため、各工程のポイントを押さえておくことが重要です。
設置前の準備|必要な作業と確認ポイント
取り付け工事をスムーズに進めるために、事前に設置環境や設備の状態を確認し、準備を整えておくことが大切です。
設置場所の選定
- 室内機と室外機の設置スペースを確保し、十分な空気の流れが確保できるかを確認する
- 天井埋め込み型の場合は、天井裏のスペースや配線経路を事前にチェック
電源設備の確認
- 200Vまたは三相200Vの電源が確保されているかを確認し、不足している場合は電気工事を手配する
- 既存の電源容量が足りない場合は、ブレーカーの増設が必要になることもある
配管・ダクトのチェック
- 既存の配管が流用できるか、冷媒の種類(R32・R410Aなど)が新しいエアコンと適合しているかを確認
- 必要に応じて、配管の洗浄や交換を行う
室内機・室外機の設置手順
業務用エアコンの設置では、室内機と室外機の設置位置を慎重に決め、適切に固定することが重要です。
室内機の取り付け
取り付け位置の確認とマーキング
- 天井埋め込み型の場合、強度を確認し、補強が必要なら事前に施工
- 壁掛け型・床置き型は、室内の空気循環を考慮しながら設置位置を決定
本体の固定と配管接続
- 取り付け金具を使用し、水平を保ちながら確実に固定する
- 冷媒配管・ドレン排水管・電源ケーブルを接続
室外機の設置
設置場所の確保
- 振動や騒音を抑えるため、防振ゴムや専用架台を使用して設置
- 室外機の周囲に十分な排気スペースを確保し、熱がこもらないようにする
配管・配線の接続
- 冷媒配管を室外機に接続し、適切な長さに調整
- 電源ケーブルを接続し、電圧・容量が適正かを確認
冷媒配管・電気工事・試運転までの流れ
業務用エアコンの性能を最大限に発揮するためには、冷媒配管の施工と電気工事が適切に行われていることが重要です。
冷媒配管工事のポイント
- 冷媒ガスの漏れを防ぐため、接続部の気密性を厳密にチェック
- エアパージ(配管内の空気を抜く作業)を行い、冷媒の流れをスムーズにする
電気工事の流れ
- 200Vまたは三相200Vの配線を接続し、電圧・電流が適正かを測定
- ブレーカーをONにし、異常な発熱やノイズがないかを確認
試運転と最終確認
- エアコンを稼働させ、冷暖房の効き具合・風量・温度変化をチェック
- 異音・異臭がないか、ドレン排水が正常に流れているかを確認
- 必要に応じてリモコン設定やスケジュール運転の調整を行う
業務用エアコンの取り付け工事は、各工程を確実に行うことで、長期間にわたって安定した運用が可能になります。

業務用エアコンの設置後のチェックポイントとメンテナンスのコツ
業務用エアコンは、設置後に適切な点検とメンテナンスを行うことで、効率的な運転を維持し、故障リスクを抑えることができます。施工ミスや初期不良を早期に発見するために、取り付け直後のチェックが重要です。また、長期間快適に使用するためには、定期的なメンテナンスも欠かせません。
取り付け直後に確認すべきポイント
設置工事が完了したら、正常に動作するかを確認するためのチェックを行うことが重要です。
冷暖房の効き具合
- 設定温度どおりに冷房・暖房が効いているかを確認
- 室内の温度ムラがないかチェック
異音・異臭がないか
- 運転中に異常な音(振動音・金属音・ガス漏れ音など)がしないか
- 焦げ臭いニオイや異常な臭気がしないか(配線トラブルの可能性)
風量・風向きの確認
- 風が適切に出ているか、風向きや風量が調整できるかをチェック
- フィルターや吹き出し口にホコリが詰まっていないか確認
ドレン排水の確認
- 排水ホースが詰まっていないか、水漏れが発生していないかをチェック
- 異常があれば、ドレンポンプや排水経路を点検する
定期的なメンテナンスの重要性
業務用エアコンは、長時間運転が多いため、定期的なメンテナンスを実施しないと、冷暖房効率が低下し、電気代の増加や故障につながることがあります。
フィルター清掃(1~2週間ごと)
- フィルターが詰まると、風量が低下し、冷暖房効率が悪化
- 目詰まりを防ぐために定期的に清掃し、必要に応じて交換する
冷媒ガスの管理(年1回)
- 冷媒が適正量入っているかチェックし、不足している場合は充填
- 冷媒漏れの点検を行い、異常があれば早めに修理
室内機・室外機の点検(年1回以上)
- 室外機の周囲にゴミやホコリが溜まっていないか確認
- 室内機の吹き出し口にカビやホコリが付着していないかチェック
冷媒ガスの管理とフィルター清掃の重要性
業務用エアコンの冷媒ガスが不足すると、冷暖房の効率が著しく低下し、コンプレッサーに負荷がかかるため、定期的な点検が必要です。
冷媒が不足すると発生する問題
- 冷暖房の効きが悪くなる
- 運転音が大きくなる
- 電気代が増加する
フィルター清掃の放置による影響
- 目詰まりが発生し、風量が低下
- カビの発生により、空気の質が悪化
- 熱交換器の汚れが冷暖房効率を下げ、エアコンの寿命を縮める
適切な使用方法でエアコンの寿命を延ばす
業務用エアコンを長く使用するためには、日常的な使い方も重要なポイントになります。
適切な温度設定を維持する
- 冷房時は26~28℃、暖房時は**20~22℃**を目安に設定
- 過度な温度設定を避けることで、消費電力を抑え、機器の負担を軽減
不要なときはこまめに電源をオフ
- 長時間使用しないときは、エアコンを切ることで消費電力を抑えられる
- 一方で、頻繁なオン・オフの切り替えは、コンプレッサーに負荷がかかるため、適切なバランスを意識する
直射日光や熱源の影響を避ける
- 室外機が直射日光にさらされていると、冷房効率が低下
- 室内の熱源(照明・電化製品など)の影響を考慮し、温度調整を行う
業務用エアコンの取り付け後は、設置直後のチェックと定期的なメンテナンスを欠かさないことで、快適な空調環境を維持し、長期的にコストを抑えることが可能です
まとめ|業務用エアコンの取り付けは専門業者に依頼して安全・確実に!
業務用エアコンの取り付けには、電気工事や冷媒配管の施工が必要であり、専門的な知識が求められます。DIYでの設置は、施工ミスによる故障や冷暖房効率の低下を招くリスクがあるため、安全かつ確実に設置するには、専門業者に依頼するのが最適です。
業者に依頼すれば、施工の質が保証され、適切なアフターサービスやメンテナンスが受けられるため、長期的な運用コストを抑えることが可能です。さらに、設置後は、定期的なフィルター清掃や冷媒ガスの管理を行うことで、エアコンの寿命を延ばし、快適な空調環境を維持できます。長く快適に使用するためにも、信頼できる業者を選び、適切なメンテナンスを心がけることが重要です。
